今回の出品は、エブロ 1/20 No.9 Team Lotus type 72E (1973)です。1970年にデビューしたロータス・タイプ72は、ウェッジ・シェイプのボディとトーションバースプリングを採用した革新的なマシンでした。当初はハンドリングに問題が発生しましたが、前後のサスペンションを改修したタイプ72Cとなると本領を発揮。ヨッヘン・リントが5勝の内4勝を挙げて、1970年のチャンピオンになりました。翌1971年になると、リアサスペンションとリヤウィング、オイルタンクの設計が変更され、タイプ72Dとなりました。1972年にはタイプ72Dはスポンサーの変更で漆黒のボディにゴールドのライン・ロゴが入るお馴染みのスタイルとなりました。このタイプ72DでE.フィッティパルデイは、当時史上最年少のチャンピオンとなり、チーム・ロータスに1970年以来のコンストラクターズチャンピオンをもたらしました。翌1973年になると安全規定が強化されました。車体側面の外側にデフォーマブルストラクチャーを設けるというもので、クラッシュの際に燃料タンクを守り、火災を減らすというものでした。同規定に対応する為に改修されたのがタイプ72Eです。従来のモノコックの外側に新たなボデイを装着した二重外皮の構造になっていました。又、タイプ72Eではタイヤが変更された事に伴い、サスペンションにも変更が加えられました。タイプ72Eはデビュー戦でフィッティパルデイが、新加入のR.ピーターソンがフランス、オーストリア、イタリア、アメリカGPで優勝し、ドライバーズチャンピオンは惜しくも逃したものの、チーム・ロータスは2年連続でコンストラクターズチャンピオンを獲得しました。キットは木谷真人氏がタミヤ退社後に起こした会社エブロの9作目のプラモデルです。特筆すべきは、タンポ印刷されたGoodYearロゴのタイヤです。又、特徴あるフロントのパイプセクションは組立済の金属パーツが奢られています。本体の足回り等も、ビッグスケールシリーズにヒケを取らない繊細で精密なパーツとなっています。惜しむらくはJ.P.Sロゴがオミットされてますので社外品を購入してあります。既に絶版の本キット、完成させてR.ピーターソンの華麗なドリフト走行を思い出しながら至福の一時を過ごされてはいかがでしょうか。